BLOG

ブログ「小1の壁は深刻です・・・」

「小1の壁」ご存知ですか。

小学校以上のお子さんをお持ちの方なら、「あ〜、あの時大変だった」と思われていることではないでしょうか。

 

一般的に保育園では、子供を預かる時間が平日は19時頃まで、場合によっては土曜日も預かってもらえます。また、働く親の職場環境としても、企業によっては「時短勤務」や「子の看護休暇」など子育てに配慮した制度があったり、周囲も小さい子を育てるという環境に寛容な対応をしていただくことが多いと思います。

ところが小学校に入学すると、環境がガラリと変わり、様々なハードルが出てきます。

まずは、放課後の預かり先。

共働き等で日中、自宅に親がいない子は学童保育に入ることになります。

私の息子の小学校周辺では、学童保育への入所ができない「待機学童」も多いと聞き、小学校入学の手続きよりも先に学童保育の入所手続きを進めました(なんとか入所できましたが、学童に入所できなかったらどうなってるかと思うと考えるだけで胃が痛くなります)。入学後数ヶ月は、学校は午前中で終わり。給食もなし。預かり先がないと親は仕事を諦めざるを得ません。

 

次に子供の通学。

小学生とはいえ、大きなランドセルを背負った小さい体の子供が、すぐに小学校まで一人で通うことはできません。通学路は車が多く、危険が多い・・・。最初の数ヶ月、学校まで親が一緒に通学し、道順や危険な場所などを教えながら少しずつ通学に慣れさせていくということが必要になります。

私の息子の場合も、3ヶ月ぐらいは学校まで毎日一緒に行き、徐々に親と一緒に行く距離を縮めていき、一人で通えるようになったのは10ヶ月を過ぎてからでした。当時私の勤務先では1時間単位の年休が認められていたので、慣れるまではほぼ毎日1、2時間の年休を取得し、毎日息子と学校まで一緒に行っていました。一人で「行ってきまーす」と家から通えるようになった時の後ろ姿を思い出すと今でも涙が出るほど、親としては本当に感慨深いものでした(涙)

それから、宿題。

私が一番驚いたのは、子供の宿題に関して親が毎日チェックをするという作業です。ありがたいことに学童で宿題をやる時間があるので基本的には宿題は終えて帰宅するのですが、ちゃんと宿題ができているか、親が毎日確認をし、サインをするというシステムがあります。子供の学習をフォローするのは親の大事な役目ですが、毎日仕事でクタクタになって帰宅して、家事をしながらこのフォロー。また「今週末までに雑巾・石鹸を持ってきてください」「製作で使うので◯日までにトイレットペーパーの芯、空き缶、折り紙を用意してください」みたいな持ち物通知があったり、そうした持ち物チェックを親がフォローしてあげなければいけません(当日の朝、そのプリントを出された日には家中がパニックになります・・・焦)。

小学校のハードルはまだまだあります。

土日、学校行事が行われた後、平日の振替休日に預かってくれるところがない・・・

夏休みの学童保育は基本毎日弁当・・・

平日の保護者行事が多い・・・などなど

 

子供の成長に合わせて様々なハードルが出てくるのは当然のことかもしれませんが、なぜ「小1の壁」と言われるのか。それは、働く親をサポートする制度や環境が「子供が未就学児まで」というラインがあるからです。時短制度や看護休暇等も多くは子供が未就学児まで。小学生になる子供は、小学校一年生であろうが六年生であろうが、対象外なんです。

上述したハードルを越えるためには、親が子供に関わる時間が必然的に必要とされます。小学生とはいえ、一年生が自分のことをできるようになるためには、親のフォローがとても大事になります。

母親の1日→ 朝は子供の準備を手伝い一緒に学校に連れていく、送った後に職場に向かい仕事。仕事が終わったら急いで学童にお迎え。夕食の準備や家事をしながら子供の宿題フォロー、持ち物チェック。平日でも保護者会があれば年休を取って参加。行事の振替休日に預かってくれる人を探す・・・。

こうした生活が厳しく、仕事を継続するのが難しくなり退職をする女性が多いため、「小1の壁」は当事者にとって深刻な悩みとなっています。

 

*******************************************

私の場合、この「小1の壁」を主人と一緒に分担しながらなんとか一年を乗り越えました。今思えばなんとかやってこれたので「喉元過ぎれば」という感覚もありますが、思い起こしてみるとやはりもう少し一年生の息子と一緒に過ごす時間が欲しかったなと思っています。

そして、現在5歳の娘が小学校に上がる時も同じことをするのかと考えた時に、フルタイムで同じような働き方を継続し続けることに限界を感じ始めました。

仕事を独立した理由はいろいろありますが、この「小1の壁」をきっかけに働き方を見直したのも要因の一つです。

 

しかし、働き続けたいと思う女性には、こうした環境が原因で働くことを諦めてほしくないなと思います。一人で抱え込まずにパートナーと協力し合いながら、働き続ける道を探してほしいと思います。

そして雇用主側としても、せっかく育成してきた社員が「働き続けたい」と思っているにも関わらず、こうした理由で大事な人材を失ってほしくありません。

そのためには、一つ一つ本人が抱えている事情をお互いで共有、理解し合える風土や環境が必要だと思います。また、妻を支え一緒に子育てができるように、父親である男性社員も含めた社員全体の働き方を見直すことが、人材定着の大きな鍵になります!

 

出生率が全国1位のこの沖縄から、全国に先駆けてこの「小1の壁」という言葉が無くなる社会になりますように願うばかりです。

 

 

波上こずみ

cosmic197656@gmail.com